サウナvs銭湯:サウナ好きと銭湯愛好家で対談したら予想外の展開になりました。

最近、「サウナ行こうよ」という声をよく聞きませんか?
2020年ごろからサウナブームが到来。
SNSやネット上でもサウナ関連の情報はトレンドになっていますよね。

そんなサウナブームの中、銭湯にこだわり、銭湯をこよなく愛す一人の旅人にインタビューをしました。
銭湯も旅もどっちも捨てがたいということで移動しながら入れる「移動式銭湯」を発明した三宅天真さんです。

サウナ好きであるインタビュアーからなぜ銭湯にこだわっているのか聞いたのですが、予想を超えるアツい想いがありました。

三宅 天真(みやけ たかなお)

旅する銭湯、「移動式銭湯」の発明者。トラックの荷台に銭湯を乗せ旅している。最近は大分県の天瀬温泉の復興支援プロジェクトに参加し、移動式湯船をペットボトルで作り上げた。

三宅さんの活動をチェック
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旅も銭湯も好きだし→移動式銭湯爆誕

ふかやん
ふかやん

今回は、僕がサウナ好き代表として、サウナ派vs銭湯派ってことでちょっとバチバチにバトルしていきたいんですが…

三宅さん
三宅さん

僕、サウナも好きですよ!

ふかやん
ふかやん

じゃあ、バトルはなかったことにして…

銭湯の魅力ってなんですか?

三宅さん
三宅さん

これ、サウナにも言えると思うんですけど、銭湯って知らない人と一緒に入るじゃないですか。
それってなかなかない文化だと思うんです。

ふかやん
ふかやん

たしかに。
日本ならではの文化ですよね。

三宅さん
三宅さん

そうなんです。
僕、学生時代に世界40ヵ国以上旅していたんですが…

よく聞く話かもしれないですけど、海外にいくことで改めて日本の良さを知ったんです。

三宅さん
三宅さん

特に銭湯がやっぱり恋しくて。
でも旅も好きだし…

じゃあどっちもやればいいじゃんってことで「移動式銭湯」を作ったんです。

ふかやん
ふかやん

その発想に至るのがすごいです(笑)

大学卒業後は就職せずですか?

三宅さん
三宅さん

そうです。
就職はせず移動式銭湯を作ってました。

ふかやん
ふかやん

移動式銭湯でもお金は取っていないんですよね?

三宅さん
三宅さん

取ってないですね。

ふかやん
ふかやん

そのほかに何かお仕事とかアルバイトは?

三宅さん
三宅さん

まさに”今”でいうと僕はスティーブノージョブズです。

ふかやん
ふかやん

どういうことですか?笑

三宅さん
三宅さん

無職ってことですね。

だから時間セレブですよ。
いっぱい時間あります。

ふかやん
ふかやん

でもどうやって生活してきたんですか?

三宅さん
三宅さん

大学卒業後はさすがにアルバイトとかしてました。


あとは文章書くの好きだったんで、ライティングもやっていました。
1年ちょっと前まではご縁があってメディア系の会社で仕事してましたね。

ふかやん
ふかやん

なるほど。

でもどうして今はそのスティーブノージョブズ状態なんですか?笑

三宅さん
三宅さん

実はコロナがくるちょっと前ぐらいにイギリス留学が決まってたんですよ。
それで会社も辞めたんですよね。

三宅さん
三宅さん

で、辞めた次の日ぐらいに留学エージェントの方から電話がきて「コロナウイルスの感染拡大がひどく…今回の留学は一旦なしという方向でよろしいでしょうか」って。

ふかやん
ふかやん

そんなタイミングで…

三宅さん
三宅さん

そうなんですよ。
昨日会社辞めたばっかなんだけど?!って(笑)

ふかやん
ふかやん

いや、きついですね。

三宅さん
三宅さん

まあでも仕方ないと切り替えまして…


仕事もイギリス留学もなくなったけど僕には「移動式銭湯」がある!と思って、この活動により多くの時間を割いたんですよね。

三宅さん
三宅さん

そしたらある日、なんか車から変な音がしたんです。

ふかやん
ふかやん

え…まさか?

三宅さん
三宅さん

エンジンが止まっちゃって。
レッカーですよ。

移動式銭湯がレッカーで運ばれました。

ふかやん
ふかやん

そんなタイミングで移動式銭湯まで壊れちゃったんですか。

三宅さん
三宅さん

そうなんですよ(笑)
一気に更地になりました。


でも時間できたし、これはチャンスだって思って。
エンジン直して旅に出ました。

ふかやん
ふかやん

それをチャンスと捉えられるのすごいですね。

三宅さん
三宅さん

で旅から戻ってきたときに大分県の天瀬温泉というところの復興支援をしないかって声がかかって。


最初はボランティアだったんですけどNPO法人に入らせてもらったので活動資金ぐらいはもらえるようになりました。

ふかやん
ふかやん

そうだったんですね。
でもそれも今は辞められたんですよね?

三宅さん
三宅さん

そうです。
それは次の目標ができたので…

ニューヨークで入浴の夢

三宅さん
三宅さん

次の目標は「ニューヨークで入浴」です!

ふかやん
ふかやん

移動式銭湯でニューヨークに行くということですか?

三宅さん
三宅さん

正確にいうと、あっちに行ってから移動式銭湯を作ります

ふかやん
ふかやん

また一から作るんですか?!

三宅さん
三宅さん

そうです。
やっぱ今あるものを持ってくって結構難しいみたいで…
あっちでトラックを買ってまた作ろうと思ってます。

ふかやん
ふかやん

活動資金とかはどうされるんですか?

三宅さん
三宅さん

それはまあ、行ってから考えます!

ふかやん
ふかやん

すごいなあ…

三宅さん
三宅さん

でもなんとかなるんですよ。
移動式銭湯を作ろうと思った時も、そんなのできるわけないって言われてたけど実際にできましたし…

ふかやん
ふかやん

たしかに…
なんかできそうな気がします!


ちなみにいつからニューヨークに行かれるんですか?

三宅さん
三宅さん

実際に海外の方に行くのは春になってからですね。
この格好じゃ冬に行くと寒いので…

三宅さん
三宅さん

まず海外に行く前に九州を旅する予定なんですよ。
11月26日、「いい風呂の日」からスタートです。

ふかやん
ふかやん

ちょうどいい語呂の日ですね。

三宅さん
三宅さん

別府でやりたいことがあるんですよ。

ふかやん
ふかやん

温泉の名所、別府!

三宅さん
三宅さん

そうです。
別府って日本一源泉がある街で。

三宅さん
三宅さん

そこを移動式銭湯でまわっていろんな温泉を集めるんです。
そのときにいろんな人と対話をして、を配ります。

ふかやん
ふかやん

薪を?

三宅さん
三宅さん

はい。
僕の銭湯は薪でお湯を炊いてるので。


人には必ず物語があって、それぞれが何かしらの想いを持って生きてると思うんですよ。
その想いを薪に書いてもらってそれも温泉と一緒に集めます。

ふかやん
ふかやん

なるほど。

三宅さん
三宅さん

そして集めた温泉をブレンドしていろんな人の想いが書かれた薪で湯を沸かすってことをしたくて。

ふかやん
ふかやん

めっちゃいいですね!

三宅さん
三宅さん

ですよね!!
湯を沸かす日も決まってますよ。
いつかわかりますか?

三宅さん
三宅さん

1月26日ですよ。

ふかやん
ふかやん

でも「いい」じゃなくて「い」風呂の日になっちゃうんじゃ…?

三宅さん
三宅さん

いやいや、来年って令和何年ですか?

ふかやん
ふかやん

令和4年1月26日…!
良い風呂の日」か!!

三宅さん
三宅さん

そうです!!

ふかやん
ふかやん

さすがです(笑)

三宅さん
三宅さん

いや、僕行動力ないのでこういう語呂合わせでもしないと踏み出せないんですよ。

どんなに夢を叶えても満たされないのが人間

ふかやん
ふかやん

行動力がないとおっしゃってましたけど、ここまでのお話聞いてるとものすごい行動力ありますよね…


不安とか一切感じられないんですが、それって昔からずっとですか?

三宅さん
三宅さん

いやいや、不安でしたよ。
やっぱり移動式銭湯を作るって前例のないことですし、お金にもならないですから…

三宅さん
三宅さん

ただ、ここ1年くらいで不安というか鎖がほどけた感じがします。

ふかやん
ふかやん

どのようにしてほどけたんでしょうか。

三宅さん
三宅さん

僕が追いかけてきた光って太陽じゃなくて月の光だったんだって気づいたんですよ。

ふかやん
ふかやん

えっと、それはどういうことですか?

三宅さん
三宅さん

活動を始めたばかりの頃は移動式銭湯を完成させれば”光”にたどり着くと思ってたんです。


悩みばかりの今いる場所は”暗闇”で、努力して頑張ればいつか幸せに満ちた”光”にたどり着けるんだって。

ふかやん
ふかやん

夢を叶えた先が光ってことですね。

三宅さん
三宅さん

そうです。

当時その光は”太陽の光”みたいに一切陰りのないものだと思ってたんです。

ふかやん
ふかやん

なるほど。

三宅さん
三宅さん

でも移動式銭湯が完成して、旅ができたり、テレビで取り上げてもらえたりとかして、思い描いていた光を手にしても完全に幸せで満たされるわけではなかったんですよ。

ふかやん
ふかやん

どんなに夢が叶ってもどこかに足りない部分が残ると…

三宅さん
三宅さん

そうなんです。
そこで僕が追いかけてきた光って太陽じゃなくて月なんだって気づいて。


月って半分は照らされていてるけど半分は陰じゃないですか。

三宅さん
三宅さん

目標を成し遂げられれば素晴らしい未来が待ってるかもしれないけど必ず陰の部分もあるものだって思うようになったんです。

ふかやん
ふかやん

苦しいときもあるってことを受け入れたと…

三宅さん
三宅さん

はい。
そういう陰とか闇の部分も含めて全部愛せるようになったんですよね。

ふかやん
ふかやん

なるほど。
そうやって鎖がほどけたわけですね。

心のお風呂を作りたいんだ

ふかやん
ふかやん

最後に、三宅さんはどういう想いで移動式銭湯をされているんですか?

三宅さん
三宅さん

いろんな想いがあったんですけど、最近見つけたひとつの答えがありまして…

三宅さん
三宅さん

それを見つけたきっかけとなるエピソードがあるんですけど、いいですか?

ふかやん
ふかやん

はい。
ぜひ!

三宅さん
三宅さん

別府でアートイベントに呼ばれたことがありまして、百貨店でのイベントだったんですけど…

三宅さん
三宅さん

本当は移動式銭湯を持って行って、百貨店にいらっしゃったお客さんと一緒に足湯して対話するみたいなことをするつもりだったんですよね。

ふかやん
ふかやん

はい。

三宅さん
三宅さん

でも、百貨店の方から火を使うってところでNGを出されてしまって…

ふかやん
ふかやん

なるほど…

三宅さん
三宅さん

ただ夏場だったんで、湯を焚かずに水でもいいかって思って足水にしたんですよ。

そしたら……

三宅さん
三宅さん

コロナのこともあるので一緒に入るってこと自体がNGになってしまって。

ふかやん
ふかやん

じゃあ、ただ移動式銭湯をみてもらうっていう形に?

三宅さん
三宅さん

そうなんです。
でもなんか制約があると逆にアイディアが出たりすることあるじゃないですか?

ふかやん
ふかやん

ありますね!

三宅さん
三宅さん

そこで、薪を配ろうと思ったんですよ。
お風呂には入れないけど、対話をして薪に想いを書いてもらって。

三宅さん
三宅さん

そしたら5日間で薪がたくさん集まって。
それだけでもアートだなって思ったんですよね。

ふかやん
ふかやん

たしかに…!

三宅さん
三宅さん

僕の銭湯の中にはお賽銭箱もあるんですけど、そこに五円玉を入れて一緒に参拝もしたんですよ。
それもすごく盛り上がりましたし。

ふかやん
ふかやん

そのイベントを通して答えを見つけたんですか?

三宅さん
三宅さん

そうなんですよ。


あるお客さんから「今日のイベントすごく良かった。お風呂には入れなかったけど心のお風呂に入れた気がした。」って言われて。
それがすごくしっくりきたんですよね。

ふかやん
ふかやん

心のお風呂…

三宅さん
三宅さん

僕がやりたかったのは物理的な意味でどこでもお風呂に入れるってことではないんだなって。


仕事も育った環境も年齢もいろいろ違うけど、そういうのは一旦置いておいてこの中では一つになって楽しいっていう状態にできたらいいなって思ったんですよね。

ふかやん
ふかやん

なるほど…
移動式銭湯は手段であって目的ではなかったんですね。

三宅さん
三宅さん

そうです!
だから極論、銭湯じゃなくてもいいんですよ。

サウナでもいいわけです。
移動式サウナとかやってみたらどうでしょう?

ふかやん
ふかやん

か、考えておきます!

ツッコミどころが多い三宅さんでしたが…
とにかくピンチはチャンス精神がすごいなと思いました。

何もかも失ってしまってから生まれる新しいアイディアもある…
ものすごくポジティブなパワーを感じました。

ただ一方でどんなに夢を実現していっても必ず陰の部分が出てくる。
どんな成功者にも成し遂げられなかった夢もあれば苦しみもあるはずで…

だからそんな陰の部分も受け入れて新しいことに挑戦することが大事なんだなと、非常に学びになりました。

三宅さんの移動式銭湯のドライバーをしたい方!
ドライバーを募集中だそうです。
お金はないけど最高のワクワクがあるので!」とのことです!
三宅さんのTwitterはこちら。

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