『我が愛しの殺人鬼』公開特別企画!
emole(エモル)が約半年間にわたり進めてきたプロジェクト『Re-lay』
夢を持つ作家、演者、アーティストが集いコンテスト形式で制作する短編小説映画化プロジェクトで、ついにその映画が完成しました!
このプロジェクトを進めるに当たり重要なのが映画の監督…
我々emoleはある一人の役者に声をかけました。
それは…YouTubeで話題のショートドラマ『セフレは泊まると言ったけど』で監督、脚本、そして主役を演じた和田崇太郎(そうたろー)さん。
今回、原作となる小説コンテストの選出段階から携わっていただいた和田さんに監督としてこの作品にかけた想いや役者として学べたことを語ってもらいました。
すると役者和田崇太郎が努力し続ける理由と野望が見てきました。

和田 崇太郎(そうたろー)
俳優。大学在学中に劇団を立ち上げ、舞台を中心に役者活動をスタート。ホームレス経験を経て、25歳の時に大手広告代理店に就職。その後俳優の道を再び目指すために退職し、フリーで役者活動を再開。役者活動をつづけながらもYouTubeチャンネル「しゅくろーから夜ふかし」でYouTuberとしても活躍している。
目次
監督としては素人…それでも覚悟を決めた熱い男

今回監督として外部作品に参加するのは初めてとのことでしたがいかがでしたか?

まずプレッシャーが半端なかったですね。

1年ぐらい前までただのサラリーマンですからね…
今だってYouTubeで恋愛トークしてキャッキャしながら役者目指しててその中でたまたま『セフレは泊まると言ったけど』が当たったってだけで…

たまたまと言ってもちゃんと戦略があったじゃないですか。
『セフレは泊まると言ったけど』の制作秘話はこちら↓


いやいや監督としては素人で。
それがもろに出たのがロケハンの時ですね(笑)

ああ(笑)
思い当たる節がある社長

ロケハンの日って監督が絵コンテを描いてきてそれがどう撮れるかを見る日って知らなくて。
完全に遠足気分で行ってしまったんですよね(笑)

僕も正直ロケハンの時は不安でした(笑)

マジで申し訳なかったです。

でもロケハン後にボソッと「俺、頑張るわ」ってつぶやいてカフェに入っていく和田さんの後ろ姿がめちゃくちゃ覚悟決まってるように見えてこれは大丈夫だなって思いました。

やっぱ監督としての責任の大きさはすごく感じましたね。
今まで作ったドラマは3人とかで作ってたんですけど今回は20人以上スタッフがいたじゃないですか。
僕一人の判断がすごく大事だし責任あるなって。

リハとか本番の撮影の日は完全に監督モードでカッケーなって思ってみてました。
そうたろーファンの皆さん、仕事できる男の姿ですよ

本番当日、朝5時半入りってこと伝えた時めっちゃ嫌そうな顔されてたんで、朝不機嫌な感じで入ってくるのかなって思ったらめっちゃ笑顔ですごい安心しました(笑)

僕が不機嫌だったら現場の雰囲気悪くなるでしょ(笑)
emoleさんって現場の雰囲気がすごくいいんですよね。
みんなが仕事を楽しそうにしていて。
だからすごくやりやすかったです。

ありがとうございます。
そう言っていただけてめっちゃ嬉しいです。
原作からキャスト、主題歌まで…そうたろー流選出の基準は?

原作の選出・キャストオーディション・楽曲コンテスト全てに関わっていただきましたが、それぞれ選んだ時に意識したポイントってありますか?

まず原作となる小説コンテストは映像にしたときに面白いかどうかってところをかなり意識しましたね。

『我が愛しの殺人鬼』は展開もあるし映像化しても面白いと思って選びました。

たしかに。
これまで和田さんが作った作品はご自身でストーリーも0から作ってたわけですけど原作ありの作品はどうでしたか?

やっぱ難しかったですね。
自分で0から作ってると、脚本書いてる時から映像が浮べやすいんですけど、原作があると一回読解して映像にするにはどう脚色するべきか考えないといけなかったので。

やっぱそうですよね。

ただ、原作の世界観を壊すのも作者への冒涜になるからそれは避けたくて。
原作者のamanatzさんの想いとか好みを汲みを取るようにしました。

原作のいいところを活かしつつ映像ならではの演出をうまくプラスできてたと思います。

キャストオーディションはどうでしたか?

前提条件としては台本をちゃんと読解できてるかってところでしたかね。
撮影が1日しかなかったのでオーディションの段階で読解がズレてると修正する時間がないなと思ったので特にそこは重要でした。

なるほど…
それぞれの役で重視したところはありますか?

千加(ヒロイン)は雰囲気ですね。
可愛さとか儚さとか母性とか…
人として出さないといけないものが多い役だったのでその雰囲気が出せるかと対応力を見てました。
そこにハマったのが久田さんでした。
千加役を演じた久田さんのインタビューはこちら↓


淳也(主人公)は逆に雰囲気はそんなに重視してなかったんです。
誰でもハマりそうな役なので。

そうなんですね。
ではどこを…?

芝居のうまさですね。
淳也は基本受け身なんですよ。
受け身の演技でどれだけ面白くできるかは演技力にかかってたので。
芸人でいうところのリアクション芸みたいな…?

山咲が一番うまかったんですよね。
ただ山咲は僕の大学時代の後輩なんで僕からはプッシュしにくかったんですけどemoleの皆さんが山咲の演技をみてすごくいいとおっしゃってくれて。
それで彼にお願いしました。
淳也役を演じた山咲さんのインタビューはこちら↓
山咲さんが現場でみんなから人気者だったのが嬉しかったそうです

楽曲は面白いかどうかを重視しました。

面白さですか。

今回の作品って王道ラブストーリーとかじゃなくてなんか秘めてるじゃないですか。
だから曲も綺麗な曲っていうよりなんか秘めてそうな曲が良かったんです。

なるほど。

ちょっと外れてるけどいい曲みたいな。
からかぜ少年隊さんの「ハンカチーフ」はそこがピタッとハマってました。

それぞれめちゃくちゃ考えてらっしゃってやっぱ和田さんにお願いして良かったと改めて思いました。

いやいやありがとうございます。

和田さんと言ったら「エロ」「セフレ」じゃないですか。
今回は全く違うジャンルでしたがそこで意識したことはありますか?

「エロ」とか「セフレ」はYouTubeで強いジャンルなんで(笑)
注:和田さん自身がエロいわけでもセフレがいるわけでもありません

その強いジャンルじゃないところで戦う中で一番意識したのは短い時間でいかに展開を作れるかってところです。

なるほど。

『セフレが泊まると言ったけど』がバズって分かったことは民放では見れないものがコンパクトにまとまってることに価値があるということで。
30分以上のミステリーだったらテレビに勝てないんですよ。
だから短尺には拘ったし、30秒に1回は「お?」って思うセリフや演出を入れるようにしました。
めちゃくちゃ考えてる…
オーディションでは日々の努力量が見える

今回は監督として作品に携わっていただきましたが、役者としての学びとか気づきって何かありましたか?

まず、役者として監督側から求められることがすごくわかりました。

よく役者の先輩から「台本の読解ができるのは当たり前であなたならどう演じるかが役者は求められる」って言われてきたんですけどそれを強く実感しました。

監督をしてみてやっぱりそこがみたいと思ったんですね。

はい。
読解ができてなかったら「いやそれ台本に書いてるじゃん」ってやっぱ思ってしまうんですよね。
それは前提でその人がどう演じるかってところを見たいのにって。

でもそれ役者側からしたら難しいところじゃないですか?

そこは日々の努力次第だと思うんですよ。
役者としてどれだけ日頃から努力してるか

今回オーディションで特に感じたことがあったんですけど…

はい。

思っていた以上に役者としての日頃の努力がオーディションで見透かされるんだなって。

オーディションでセリフを覚えてなくても別に良かったんですよ。
このオーディションに向けての準備量ってそれぞれのスケジュールがあるからあんまり気にしてなくて。
でも台本の読解力とか何か要求した時の対応力ってこのオーディションに向けての準備とかじゃなくて日々の努力によるじゃないですか。
それがすごく分かったんですよね。

なるほど。

こんなに見透かされるんだって思ったら自分も改めて役者として日頃から努力し続けないとなって思いました。
努力家な和田さん

あと作品は役者が入る前からいろんな人が長い時間と労力をかけているってことがわかりました。

たしかに言われてみるとそうですね。

役者って作品に関わるのは撮影の1日目からじゃないですか。
でもその前の企画から考えると半年以上前から準備されているなって。
今回も僕が参加し始めたのも半年ぐらい前でemoleの皆さんはそのもっと前から企画を構想されてて…

そうですね。

役者が入る1日目っていろんな人が既に長い時間をかけてて想いが込められて迎えた1日目なんだって思ったんです。
そう考えたら生半可な気持ちで下手な演技できないなって改めて思いましたし、でかい態度も取れないなって思いました。

なるほど…

だから僕も朝超早かったけど笑顔で行ったんですよ(笑)

そういうことだったんですね(笑)
監督もやったけどやっぱり役者にこだわる

今回ご一緒して企画力もすごいし判断力もあるなと思って監督とかプロデューサーも向いてるのでは?と思ったのですが今後そういう道を考えたりはしないんですか?

全然ないんですよね。
やっぱり役者をやっていきたいです。
あくまで役者が本業

何か既にあるアイディアのパーツを組み合わせてみたら面白いものができるよねっていうのが多分得意なんですよ。

それで面白い企画が生まれてるんですね。

でもそこで褒められたり認められてもそんなに嬉しくないんですよね。
得意な分野を褒められても嬉しくはない

役者は向いてると思ってないんです。
センスだってないし。
だからこそ役者で認められたいっていうのがあって。

そういうことなんですね。
得意とかセンスって天性のものって言われがちですけどそこはどう捉えてますか?

たしかにセンスは生まれ持ったものだと思います。
でもセンスの有無が全てじゃないとは思うんです。

なるほど。

センスがあるやつらって同じ努力をした時に5倍早く伸びるものだと思うんですよ。
センス=投資した時間に対しての伸びの速さ

そう捉えたらセンスがない俺はその何倍か努力すれば追いつけると思うんです。

たしかに…

センスがなければ勝てないわけじゃないっていうのを証明したくて頑張ってます。

そういうことだったんですね。
だから得意じゃない分野で…

そうです。

それで和田さんが認められたら多くの人に勇気与えられると思います。

そうなるといいですよね。
本当に…頑張ります。
今回のプロジェクトを通して改めてもっと努力したいと思いました。

『Re-lay』というプロジェクトを通して和田さんとこれまでより多く時間をともにした中で、和田さんの企画力、判断力、頭の良さがわかったと同時に役者にかける想いも垣間見ることができました。
そして役者としてもたくさんのことを吸収されていて…
本当にストイックだなと思います。
でもそれはセンスがなくても勝てることを証明したいから。
めちゃくちゃかっこいいですよね。
こんだけストイックに努力を惜しまない和田さんなら絶対に証明してくれると思います。
そしてセンスと言ったら壊滅的になんのセンスもない筆者。
文才もないですよね(笑)
でも今回のお話を聞いて努力で埋められると思いました。
私も頑張りたいと思います。