「妄想」って聞いてどんなことをイメージしますか?
ちょっといやらしいもの?
日々の妄想がユニークなアイディアに変わることもあります。
人生の大事な選択において重要な役割を担うことも…?
今回はYouTubeだけでなくInstagramでもユニークで面白い投稿を続ける俳優、和田崇太郎さんに、そのユニークさの真髄である「妄想」について聞いてきました。
そこには役者としての強みだけでなく、インフルエンサーとして、人として大事な考え方が眠っていました。
和田 崇太郎(わだ そうたろう)
俳優。大学在学中に劇団を立ち上げ、舞台を中心に役者活動をスタート。ホームレス経験を経て、25歳の時に大手広告代理店に就職。その後俳優の道を再び目指すために退職し、フリーで役者活動を再開。役者活動をつづけながらもYouTubeチャンネル「しゅくろーから夜ふかし」でYouTuberとしても活躍している。Twitterはこちら。
目次
妄想の始まりは親父の存在
和田さんのInstagramやYoutubeを見てて、妄想の幅がえげつないなーって思ったんですけど、なんでそんな風に考えが広がるんですかね?
何でだろうなあ…
普段どんなことを妄想されるんですか?
どんな質問w
いや〜結構些細なことなんですよ。
街ですれ違ったおじさんを見て、「このおじさん実はめちゃくちゃドラムうまかったりすんのかな〜」とか(笑)
カフェでコーヒー飲んでるおじさんを見ると家庭でどんな扱いを受けてるんだろうとか…
おじさんの妄想が多いんですね(笑)
役者活動をする上で自分じゃない何かを演じる時の参考として意図して人間観察をして妄想してたりするんですか?
いや〜昔から人間観察が好きなだけですね。
何でなんだろう?
そこが知りたい!!
おじさんに哀愁を感じるのは多分、僕の親父が哀愁漂うおじさんだからだと思います。
あんまりうちの親父はパリピ系ではなくて、地味な感じなんだけど、うちにはなんかやりたいことがあるみたいな…
でも側から見たらしょぼくれたおじさんにみえる感じなんですよ。
しょぼくれたおじさん…
だから外でそういうしょぼくれたおじさんを見ると親父と重ねて、「幸せになって欲しいな〜」って思って(笑)
それで哀愁漂うおじさんの妄想をたくさんしているんですね。
あとは僕の思春期を満たすものは妄想しかなかったんですよね。
それはなぜ?
僕、女子と話すのが本当に苦手だったんですよ。
男子とはめちゃ盛り上がって話せるのに女子がきた瞬間話さなくなるみたいな…
そんぐらい女子と話せない系の童貞男子だったんです。
今では考えられない…
現実では女子と話せないんで、そうなったら妄想しかないですよね。
なるほど…
つまり親父とJKのせいってことですね(笑)
そうですね。
親父と童貞が妄想のベースです(笑)
人の汚いところを見ると安心する
あともうひとつ妄想する理由があって…
安心したいからなんです。
妄想して安心…ですか?
どういうこと…?
もともと女子と話せないくらい引っ込み思案だったので、人と接するときにびびっちゃうんです。
でもこの人にもこんな一面があるのかなーとか想像すると人間味を感じるというか温かみみたいなのを感じて、距離を縮められるんですよね。
意外な一面を妄想することで、安心して関われるんですね。
そうですね。
人って大人になるにつれて酸いも甘いも知っていろんなフィルターをどんどん重ねていくじゃないですか?
なので、表面だけのつながりって全然安心できないんですよね。
肩書きや年齢などから本来の人柄が見えなくなっていく感覚…
わかります。
例えば、どうしても嫌な部分があるけど仕事で関わらないといけない人とかいるじゃないですか。
でもその嫌な部分ができてしまった理由が過去にあると思うんですよ。
その理由を知るとそんなことがあったらこうなっちゃうよなって逆に愛しいポイントになるんです。
人のマイナスの部分を見て、自分と比較して自分のが勝ってる!みたいな自己防衛ではなく、 その人の素というか本質を見ることで安心して信頼できる!っていうことなんですね!
そうですね。
表面では見えない内側の部分を知ることが好きだし、安心します。
それが妄想することにつながってる気がしますね。
表面だけじゃわからない部分まで知ろうとしてくれる和田さんだから、信頼して心を開いてくれる人が多いのかも…
本当は僕、現実主義なんです。
役者として妄想力が役だったなみたいなことってありますか?
ここまで話してきてなんですけど、僕、そんなに妄想強くないんですよ。
結構リアリストなんです(笑)
記事の根底をひっくり返す発言w
物事に対して理由を求めるタイプだし、何でこうなったかを説明できる方がいいなって。
論理的な考え方なんですね。
そうですね。
でもなんで妄想が得意そうにみえるかっていうと後付けでロジックを足していくのがめちゃくちゃ得意なんですよ。
後付け?
はい。
物事に理由を求めるからこそ、その起きたことに対して後付けで無理やり論理的に説明しようとするんですよね。
結果としてそれが妄想みたいになっているというか…
なるほど…
原因を分析していく工程として妄想があるみたい感じですかね。
そうですね。
この後付けの妄想でいうと役者として役立ったなと思うこともあります。
聞きたかったこと…!
どんなところですか?
役者って基本的には台本をもらってすでに決まってる役柄を演じていくわけですけど、その役の人物にもストーリーで描かれる以前の人生があると思うんです。
この人が今こういう性格なのは過去にこんなことがあって〜みたいな。
そういった背景を掘っていくときに妄想していく力はめちゃくちゃ活きましたね。
台本に描かれていない過去のエピソードを妄想するんですね!
現実主義で理由を求めるからこそ生まれる妄想力が役柄を深ぼることに役立っているわけですね。
予想外がやっぱり面白い
妄想って大人になるにつれてしなくなる人が多いと思うんですけど、和田さんが妄想し続けられる所以って何かありますか?
妄想だけじゃなくて、僕の人生観の話になっちゃうんですけど、想定外のことって面白いなって思うんですよ。
高校生ぐらいまでは、想定内の生き方しかしてこなかったんですけど、大学に入って暇でいろんなことにチャレンジしてみたんですよね。
そしたら人との出会いとか、いい意味での想定外のことがたくさん起こったんです。
大学時代に農業・トマト祭り・留学・劇団の立ち上げなどあらゆることに挑戦した和田さん
確かに和田さんはたくさんのことに挑戦されて素敵な人たちが周りにいる印象です。
それで予想がつく生活より、想定外の方に転がっていく方が僕は好きだなって気づいて。
それが妄想とどうつながるんですか?
予想がつかないことの可能性を広げていくのが妄想なんじゃないかなと思います。
「妄想」って”想定外”を考えてワクワクする行為だとも思うんで、 見えない未来にワクワクして、想定外に飛び込むと人としての幅が広がって、それがまた想定外を生んでくれる。
なるほど!
妄想が巡り巡って挑戦に繋がってるわけですね!
現実主義ではあるのに、果敢にやりたいことに挑戦されてきた和田さん。
そこには現実と夢をつなぐ「妄想力」があったのではないかと思いました。
また、人間関係を築く上で、嫌な部分が見えた時に、それだけで嫌いになるのではなく、もっと人の本質を探って嫌な部分まで愛しいポイントに変えるという考え方がとても素敵だなと思いました。
街ゆくおじさんをみておじさんの人生を勝手に妄想してみると、満員電車の加齢臭もストレスなく愛しく思えるかもしれないですね(?)
筆者も今日の帰りの電車で早速妄想してみようかなと思いました。