『我が愛しの殺人鬼』公開特別企画!
emole(エモル)が約半年間にわたり進めてきたプロジェクト『Re-lay』
夢を持つ作家、演者、アーティストが集いコンテスト形式で制作する短編小説映画化プロジェクトで、ついにその映画が完成しました!
今回は主演を務めた山咲和也さんをインタビュー。
俳優なのに一発ギャグを100個持っているという山咲さん。
演技とは直接関係しないギャグを作り続ける理由を聞いていくうちに、物事を続ける秘訣が見えてきました。
山咲 和也
俳優。劇団ゲキバカに所属しており舞台を中心に活動している。TikTokでの東京リベンジャーズの稀咲鉄太のモノマネが注目されフォロワーは5万人を超えている。
※今回は『我が愛しの殺人鬼』特別企画ということでemole社長でプロデューサーの澤村がインタビュアーをさせていただきました!
目次
オーディションでの一発ギャグ…実は
まず山咲さんとは今回一緒に映画を作らせていただいたのですが…
オーディションでの一発ギャグが衝撃的すぎて(笑)
やりましたね。一発ギャグ。
こちらがその一発ギャグの様子。
1分間の自己紹介の時間に披露されました(笑)
あの、芸人さんじゃないですよね?
芸人じゃないですよ。
俳優です。
そうですよね(笑)
普段もオーディションでは一発ギャグをされてるんですか?
いや、実はオーディションでギャグをやったのは初めてです。
そもそも僕普段は舞台が中心であまりオーディションを受けたことがないんですよ。
映像作品は今回が初めてでしたし。
だからネットでオーディションに参加するときの心構えみたいなのを検索したんです。
なるほど。
そしたら「印象を残すことが大事」って書いてて。
印象を残すって言ったら一発ギャグだなと。
それでも初めての映像作品のオーディションでやるってすごいメンタルですね(笑)
なんかやばい奴きたなって最初思いましたもん(笑)
いやいや。来るときも不安でしたよ。
大丈夫かな?怒られないかな?って(笑)
でもやってもやらなくてもダメな時はダメだしと思ってやりました。
うちの社長、やばい奴好きなんで正解でした
オーディションでは持ちネタを年内に100個作るとおっしゃてましたが…
なぜ芸人さんではないのにギャグを作ろうと…?
コロナで舞台が中止になって、家にいる時間がすごく長くなって何かやらないとなって思ったんですよね。
それでギャグを…
なんかやってる感を出したかったんです。
何もやってない人よりは何かやってる人の方が応援したいと思ってもらえるんじゃないかと。
それで一発ギャグをYouTubeにあげていくようになりました。
それで思ったのが、役者の方もSNS使ってくの大事だなってところなんですけど、コンテンツが難しそうだなって思いました。
例えばアーティストだったら曲をあげたり、カバー動画作ったりできますけど役者ってお芝居をSNSのコンテンツとしてあげるって難しそうだし…
僕も楽器を持ってて普段から音楽が好きとかだったら曲を作ってたかもしれないし、家に画材があって絵が描くの好きとかだったら絵を描いてたかもしれないし…
なんでもよかったんですよ。
なんでもいい中でちょうど手の届く範囲にギャグがあったみたいな感じですね。
なるほど。
じゃあ、すごく得意ってわけじゃないけど…
全然得意じゃないですよ。
よかったら僕のギャグ見てくださいよ、YouTubeで(笑)
めっちゃカメラ見てくる
山咲さんのギャグが見たい方はこちらから↓
それでも出そうっていうのが大事なんですね。
そうです。
何もやらないよりは絶対やった方がいいし。
他の人と比べてクオリティが低いとかも考えずに自分の中の得意なことをまずはやってみるみたいな。
はい。
他人と比べてクオリティが低いなんて当たり前だと思ってるんですよね。
そりゃそれにお金とか時間を費やしてる人もいるわけだし。
ある意味そこは諦めた方がいいと思います。
そんなこと考えてたら結局何もできないじゃんって僕は思いますね。
いい意味で諦めるって感じですね。
でもその方が気楽になんでも挑戦できるかもしれないですね。
ある劇団でおじさんたちが必死に走ってるところを見て役者を目指す
そもそも役者活動を始めようと思ったきっかけはなんですか?
「ヨーロッパ企画」という京都の劇団があってそこのお芝居をみたのがきっかけです。
役者活動についての質問になった途端、キメ顔をする山咲さん
その時に演劇というものがあってそれが面白いものなんだって知ったんです。
それが中学3年生の時でした。
そうなんですね。
それが演劇で見た初めての作品だったんですか?
正確にいうと作品を見たわけではないんですよ。
どういう事ですか?
なんか京都の中学生は無料で劇団のゲネプロを見れるよみたいなイベントがあって。
ゲネプロを見て演劇が面白いと…?
そうです。
僕が最初に見た時、舞台の真ん中にでっかい乗り物があってその乗り物に置いてかれた人が走ってるシーンの練習をされてたんですよ。
この後に本番が観れるのかなって思ってたらそのシーンをずーっとやってて…
それだけで終わったんですよ(笑)
そのシーンだけで?笑
はい。
それが面白くて(笑)
超本気だ!って思ったんですよ。
ぶっちゃけそんなに大事じゃないだろってシーンをずっと必死にやってるのをみて演劇やりたいって思いました。
走るシーンをずっと練習してるおじさんたちの図が頭から離れないそう
面白いきっかけですね(笑)
本格的に活動を始めたのはいつですか?
大学で演劇部に入ってからです。
そこで今回の作品の監督の※そうたろーさんとも出会いました。
※そうたろーさん=『我が愛しの殺人鬼』で監督を務めた俳優。YouTubeチャンネル「しゅくろーから夜ふかし」のメンバー。
そうたろーさんの記事はこちらから↓
山咲さんはそうたろーさんと同じ神戸大学で同じ演劇部
今では考えられないですけど当時は年間で13本ぐらい舞台に出てましたね。
えええ!
それで大学の授業も取ってたんですか?
いや、僕、20単位しか取ってないんですよ(笑)
演劇づけで大学は中退してます。
そうなんですね。
じゃあ就職とかも考えずに?
就職は全く考えた事なくて。
本当は高校卒業したら上京して役者活動だけしようと思ってたんです。
あ、そうだったんですか!
一人暮らしするために高校時代は家庭科部に入ってたんだとか
でもそれはダメだって両親に反対されて。
とりあえず大学には”入りなさい”って言われたので…
なるほど…
でももう入ったからいいだろうって思って。
あの時両親に「大学に入って卒業しなさい」って言われてたらまた違ったかもしれないです(笑)
多分ご両親は入ったら当たり前に卒業するものだと思ってたのでは…(笑)
「もう俳優としてやっていく自信がない」挫折し失踪した過去
大学を辞めて演劇一本になってからも役者として活動する決意はブレる事なく?
そうですね…
ただ一回だけやめようと思ったことが実はあって。
そうなんですか?
はい。
関西にいたときに俳優、作家、演出家の3人で立ち上げた劇団があったんですけどそれが色々あって解散してしまって。
その時に結構くらっちゃったんです。
自分ってこれで折れちゃうんだ…
この先やっていけるか不安になってしまって。
そんなことがあったんですね。
連絡手段とかも絶ってしまって失踪したこともあったんですよ。
失踪ですか…
その後どう立ち上がったんですか?
その時に今入ってる「ゲキバカ」という劇団の主催が声をかけてくれたんですよ。
役者活動を続けることが不安になってしまった中で声をかけられた時に躊躇はなかったんですか?
もちろんありました。
でもこんな状態のやつに声をかけてくれる人なんていないだろって思ったんです。
恩を返したいと言ったらおこがましいですけどそういう気持ちで入りました。
なるほど…
一回終わったものだって考えてあとはまた別物としてやっていけばいいやって思ったんですよね。
大きな挫折を経験。過去にすがるのをやめて再スタート
それも一回ちゃんと諦められたのがよかったのかもしれないですね。
そうですね。
引きずらずに一度諦めたからこそ今があるのかもしれないです。
ニ歩目を踏み出したくなる新しい一歩に
最後に今回の『我が愛しの殺人鬼』についてなんですが、舞台中心に活動されている中でなぜ映像作品に出ようと思ったんですか?
YouTubeを始めてから映像でお芝居をするってことにちょっと興味が湧いたんです。
そのタイミングでTwitterでオーディションの情報が流れてきたので応募してみようと思いました。
偶然応募した作品の監督がそうたろーさんだったようです
映像と舞台って結構違うと思うんですけどどうでしたか?
やっぱ難しかったですね。
ただリハーサルがあってよかったなと思いました。
ちょくちょくカメラと目が合う山咲さん
舞台って遠くのお客さんにも聞こえるような声だったり大袈裟な動きをすることが多いんですけど、映像でそれをやると逆に素人っぽさが出てしまうじゃないですか。
確かに。
それを考えてリハの時結構抑えたんですよ。
そしたら抑えすぎちゃって…
監督に面白くないって言われましたね。
それでちょうどいい塩梅を見つけないとなと思って本番まで探ってました。
そうだったんですね。
でも確かにリハが終わって本番迎えてどんどんよくなっていってるのが僕から見てもわかりました。
ありがとうございます。
どこ見てるんですか
今後は映像作品にも挑戦されますか?
そうですね。
今回この『我が愛しの殺人鬼』で新しい一歩を踏み出せたんですけど、二歩目を踏み出そうと思える一歩をもらえたんですごくありがたいです。
めっちゃ嬉しいです。
最後に澤村さんの心を刺す言葉言えてよかったです(笑)
いい意味での”諦め”が大事。
山咲さんのお話を聞いていると挑戦する前から完璧を目指しすぎず、ある程度自分の才能やクオリティに関しては諦めも必要なんだと思いました。
もちろん最初から上手くできる人なんてほとんどいないし、かけてきた年数が違えば他人と比べて自分が劣ってしまうことだって当然。
だからこそ完璧じゃなくても挑戦してみてそれをコツコツ続けることに意味があるのだと感じました。
何をやっても続かないと感じている人は完璧を求めすぎているのかもしれません。
山咲さんのようにいい意味での諦めてみると続けられるのではないでしょうか。
主演:山咲 和也/久田 莉子
監督:和田 崇太郎(そうたろー)