他の人とはちがう、挑戦の道を選択しようと心に決めた…
そんなあなたに読んでほしい。
今回は、先日に引き続き、俳優の和田崇太郎さんです。
和田さんは大学時代に劇団を立ち上げ、失敗し、ホームレス、そして社会人を経験後再び俳優の道を選択しました。
そんな和田さんの人生の選択には振り切る力が隠されていました。
和田 崇太郎(わだ そうたろう)
俳優。大学在学中に劇団を立ち上げ、舞台を中心に役者活動をスタート。ホームレス経験を経て、25歳の時に大手広告代理店に就職。その後俳優の道を再び目指すために退職し、フリーで役者活動を再開。役者活動をつづけながらもYouTubeチャンネル「しゅくろーから夜ふかし」でYouTuberとしても活躍している。Twitterはこちら。
目次
ビビってて、やりたいけどできていないことをやれ
いろんなことに挑戦されてきた和田さんに「人生の選択」において大事にしていることをお聞きしたいと思います。
まずはこれまでの人生の変遷をざっくりお聞きしたいです。
大学に入学して、最初は農村の村長になりたかったんですよ。
え、農村?村長!?
地図に和田村を載せたかったんですよね。
なんか地理の授業で農村が過疎化してるみたいなことを知って、そんなに過疎化してるなら自分みたいな若者が行けばどうにかなるんじゃないかみたいなそんな気持ちで…
そこから今度はなぜ俳優を目指したんですか?
その後もすぐに俳優を目指したわけではなくて…
トマト祭りを開催したり、インドに行ったり、起業しようと思って起業家精神育成ゼミに行ったり…
いろんなことをやろうとしてたんですけど、その起業家精神育成ゼミで知り合ったある社長さんに「もっとビビってるけど、本当にやりたいことをやりなさい」と言われたんですよ。
ビビっているけどやりたいこと…
僕って結構せこいところがあって、ちょっと頑張ればできそうで、周りからもすごいって言われるようなことに手を出しがちなんです。
人に幻滅されることがすごいこわいから…
自ら弱いところを曝け出してくれる和田さん
でもその社長の言葉を聞いて、本当にやりたいことって何だろうって考えました。
それが昔から実は憧れがあって、でもなれるわけないと思ってそもそも選択肢に入れてこなかった俳優だって思ったんです。
そこで初めて選択肢に俳優が出てきたわけですね。
確かに本当はやりたいのに無意識のうちに選択肢から除外しているものって多いかもしれないですよね。
ただ純粋にやりたいことを心に問いかけてみるのは大事ですね。
ホームレスそして就職
俳優になると心に決めて、実際に劇団を立ち上げるなど活動されてきたと思うのですが、その後就職することになったのはどういった理由なんですか?
まじで飯食えてなかったんです。
大学2年で演劇部に加入後、大学の先輩とともに劇団を立ち上げる。
しかし劇団で100万の赤字を背負うことに…
夢を追いかけて、上京したんですけど、お金なくて1ヶ月ぐらいはホームレスのこともありました。
壮絶ですね…
バイトで何とか食い繋いでいました。
それで就職を?
そうですね。
ただお金の面でもそうなんですけど、役者としての厚みが出るとも思って。
どういうことですか?
このまま小劇場で芝居を続けても演劇界隈で知り合いができて、その伝(つて)で仕事をもらうみたいな感じで同じコミュニティの中でぐるぐるするだけでステップアップしていくイメージが湧かなかったんですよ。
世界が広がらないみたいな感じですか?
そうですね。
同じ世界でぐるぐるするよりも、違う領域の経験をしたほうが役者としての厚みを出せると思いました。
だからこそ、社会見学ができそうな大手の会社に就職しようと思ったんですよね。
そういうことだったんですね。
結果として就職して良かったですか?
よかったと思います。
役者ってスキルアップにだけ目がいきがちだと思うんですけど、役者としてのスキルだけじゃダメだなって思ったんです。
特に僕みたいな年齢から売れようとしたときには…
役者としてのスキルだけじゃない…
もう一つ何か必要なんですか?
はい。
もう一つは自己プロデュース力だと僕は思います。
役者としてのスキルアップの前輪と、自己プロデュースみたいな和田崇太郎という人間を売り出していく後輪、この両輪を回していくことが必要なんじゃないかなと。
後輪である自己プロデュースにおいて、圧倒的に社会人経験が活きてくるなと思いました。
なるほど。
いわゆるマーケティングだったり、売り出し方みたいなものですよね。
そうですね。
物事の考え方とか、お金を払ってものを作る側の人たちの気持ちとか想いとか…
サラリーマンにならないとわからない気持ちもわかりましたね。
役者活動のための就職だったんですね。
まあ、こんなかっこいい感じで言ってきましたけど、就職するための言い訳みたいなところもありますけどね(笑)
やっぱり「逃げた」って周りからも思われるだろうし、自分でも思ってしまうので…
確率を上げる努力
和田さんがもし昔の自分に助言できるとしたらどんなことをアドバイスしますか?
「中途半端な憧れだけで役者活動してるような生半可な気持ちなら、さっさと就職した方が世の中のためになるので就職してください。」って言いたいですね(笑)
結構ヘビーなストレートパンチ…
何となく役者になりたくて、日々の6割ぐらいをバイトに時間を費やすならどっちかに振り切ったほうがいいと思うんですよ。
エグいぐらい極貧で、生活費もほぼ0ぐらいまで切り詰めて時間とか自分の人生の9割は芝居に費やしてる人はやっぱ伸びるし、誰かが拾ってくれると思う。
それができないなら別のことに振り切ったほうがいいということですか?
そうですね。 一旦役者活動は置いておいて、別なところを伸ばすほうがいいんじゃないかなって。
そのほうが役者としての味も出てくると思うんですよね。
味?
はい。
24歳とかそこらで売れないってことは自分が思ってるほど才能やセンスがないってことなんですよ。
じゃあ才能でズパッと成り上がったやつに並ぶにはどうするかってなったら深みというか、味のある人間にならなくちゃいけないと思うんです。
自分に厳しくストイックな和田さん
なるほど。
味のある人間になるために一度役者活動をやめて別の力を伸ばすこともひとつの選択肢としてありということですよね。
そうですね。
僕はそっちを選びました。
自分が思ってるほど自分にセンスがなくて人から引っ張り上げられるのを待って10年過ごすなんて売れる可能性ほぼない…
本当に売れたいならその確率を上げるように努力しないといけないんですよね。
才能がないってことは認めて、「じゃあこうしよう」って考えて行動することが大事だと思います。
確率を上げる努力…
他人任せにしないで自分で売れる確率を上げるような行動を取るということですね。
人との繋がり
和田さんがこれまでの人生で、いろんな選択や挑戦をされてきた中で、仲間の存在とか、助け舟を出してくれる人が多いなと感じるんですが、人とのつながりで何か意識していることってありますか?
YouTubeチャンネル「しゅくろーから夜ふかし」のしゅくろーさんとは大学時代の友達 『セフレは泊まると言ったけど』を製作したメンバーは中学時代の同級生だったそう。
詳しくは前回の記事をご覧ください!
特に意識してることはないんですけど…
これも確率の話になりますかね。
もちろん周りに恵まれていて、運がいいっていうのもあるんです。
でもいろんなことにトライしてきて失敗してきて、そういう姿を見せているからこそ手を貸してくれる人が多いんだと思います。
確率を上げるための行動をたくさんしてきているから、それをみて手を貸してくれてその中の何かひとつがたまたまポンって芽が出るというか…
なるほど…
たまたまYouTubeやっている友達がいたとしても、普段何も努力していないような人だったら誘われないですもんね。
役者として売れようと、その確率を上げるために失敗しながらも行動している姿を見ているからこそ、応援されるんですね。
あとは役者に対する本気度もあるかもしれないです。
農業とか、起業とか、色々中途半端な僕だったけど、役者だけはずっと諦めていない…
初めて長いこと熱中してるんですよね。
だから役者だけは本気なんだなって近い関係の人には伝わってるんだと思います。
ここだけはブレなかった和田さん
ちなみに今現在もトライしてますか?
してますね…
毎週ワークショップ行って泣いてます。
自分を鼓舞し続けるニート28歳です。
なんというパワーワード…ww
取材終了後、「売れてから言いてぇ〜」という和田さん…
YouTubeであんなにバズったのだからもっと調子に乗ってもいいのになんて思ってしまいましたが、和田さんとしてはまだまだこれからなのだと思います。
自分に厳しく、冷静に自分の立ち位置を分析して、今どういう行動をするべきかということを真剣に考えて活動されているのだなと思いました。
役者という夢や仲間への熱い想いと冷静さを併せ持つ和田さんは最高にかっこいい方でした。
自分を鼓舞し続けるニート俳優、和田崇太郎さんの今後の活躍に期待です。