「小さいころからパンの耳が大好きでした!」 波瀾万丈なイラストレーターmomoさんの持続可能な爆発的原動力

「あなたの原動力はなんですか?」

そう問われてすぐに答えられるでしょうか?

 

原動力とは活動を起こす元になる力のことです。

原動力は、やりたいことに挑戦するバネになるということです。

しかしそんな原動力が見つからず、なかなか挑戦できない…

自分には原動力がない…

そう悩むこともあるでしょう。

 

原動力はマイナスな出来事をきっかけに生まれたり、プラスな感情から生まれたり、あるいはその両方だったり…

今回は波瀾万丈な人生を送る、フリーイラストレーターのmomoさんにお話を聞きました。

※札幌在住ということでオンラインインタビューをさせていただきました。

momo

水彩画イラストレーター。趣味で描いていたパンの絵をInstagramで発信していたところ仕事に。書籍の挿絵やパンとお花のお店ウルーウールとのコラボカレンダーをはじめ、パンやお菓子関連のグッズ制作、2020年にはMr.CHEESECAKE×セブン・イレブンコラボレーションアイスクリーム、チロルチョコのパッケージの絵を担当した。その他、公式LINEにてスマホ用の壁紙を配信したり、オンラインで水彩講座を行うなど、幅広く活動している。


仕事が好きすぎて会社をやめざるを得なかった

まず、momoさんのこれまでの活動経歴をまとめました。

教育大学 美術学科入学

小さい頃が絵を描くことが好きで、続けていきたいと思った。

美術や教育、絵とは関係のない一般企業に就職

フィンランド関連の会社で、憧れのフィンランドに関わる仕事ができた。

がむしゃらに働きすぎた結果、体調を壊し、やむなく退職

仕事が好きすぎるあまり、働きすぎて入院までするこに…

小学校の頃の同級生と結婚

小学校時代の両思いの相手と再会し、支えてくれるパートナーとなる。 夫の会社は転勤が多く、7年間で4回移住した。

群馬県に移住し、はじめてデザインの仕事をする

仕事中にラフ案などで絵を描ける喜びを知る。

香川県に移住し、芸術士という仕事に出会う

芸術士とは高松市の取り組みで、幼稚園や保育園に定期的に訪れ、子どもたちの無限の可能性を信じ、子どもたちの感性と創造力をアートを通じ引き出す手助けをする活動。

芸術士の活動がきっかけで、木材屋で働く

商品企画やワークショップ、グラフィックデザインの仕事をする。

そこで恩師となるイラストレーターのおじさんに出会う。

第二子妊娠中に切迫流産となり、絶対安静を余儀なくされる

仕事が充実しており、もっと働きたかったが活動を抑えることに…

水彩画でパンを描き始める

仕事ができなくなった時に、ふと絵を描きたいと思い始めたことがきっかけ。

仕事復帰後も子育てと両立しながら水彩画を描いていた。

パンの絵をインスタグラムに投稿し始める

仕事にするつもりはなかったが、投稿をみた人からDMで仕事を依頼されることが増えた。

在宅でデザイン、企画、イラストなどの仕事を中心に活動している。

好きすぎて過労で倒れた大好きな会社とも委託契約をして仕事をしている。

パンの絵を描き始めた経緯などは、momoさんのnote『パンとわたし。』をご覧ください。

ふかやん
ふかやん

かなりいろんなことをされていますね!

momoさん
momoさん

そうですね。

主人の転勤が多かったことをプラスに捉え、その土地でしかできないことを見つけて、できるようになりたいと思ったことをやってきました。

ふかやん
ふかやん

美術を学べる大学に進学されていますが、新卒ではデザイン関係ではない一般企業に就職されているんですね。

 

そこではデザインの仕事は全くやっていなかったんですか?

momoさん
momoさん

そうなんです。

絵を描くことは昔から好きでしたが、実はコンプレックスでもあったんです

ふかやん
ふかやん

コンプレックスだったんですか?!

こんなに素敵な絵を描いているのに…

momoさん
momoさん

昔から決して絵が上手い方ではなくて、それでも絵を描き続けたいと思い、美術学科のある教育大学に進学しました。

 

でも、これまで以上に自分よりも絵が上手い人が周りにたくさんいて、絵に対するコンプレックスをさらに強く感じるようになったんですよね…

ふかやん
ふかやん

そうだったんですね。

それで、絵とは関係ない仕事につくことにしたんですね。

momoさん
momoさん

そうですね。

もう大学在学中から、必修の授業以外では絵を描くことをしていませんでした。

ふかやん
ふかやん

就職はフィンランド関連の会社にされているんですね。

フィンランドがお好きだったとか?

momoさん
momoさん

そうです。

フィンランドがすごく好きで、出張でフィンランドに行けた時は感動しました。

また尊敬できる社長のもとで働くことができて、仕事が楽しくて仕方がなかったです。

ふかやん
ふかやん

それで働きすぎて倒れてしまったんですね。

momoさん
momoさん

はい。

入院するまでに… 体調が治ったら同じ会社で働くこともできたのですが、結局それではまた働きすぎてしまうと思い、大好きな会社でしたが辞めざるをえませんでした

ふかやん
ふかやん

好きすぎるが故に辞めることとなったわけですね。

momoさん
momoさん

その会社にいる間にできなかったことやスキルを磨きたいと思いました。

どんな形態でもいいから、自分がやりたいと思った仕事にどんどん挑戦することにしました。

仕事ができる幸せ、仕事ができない恐怖

ふかやん
ふかやん

momoさんは倒れるまで働いたり、ねる間も惜しんで、絵を描き続けたり…

なぜそこまで頑張り続けられるんでしょうか?

ぜひその原動力を教えていただきたいです!

momoさん
momoさん

原動力というか…

ここまで仕事、仕事!!ってなっている要因としては幼い頃の家庭環境があると思います。

実家がすごく貧しかったんです。

幼い頃、実家には常にパンの耳が置いてあったそう。

momoさん
momoさん

父が病気で働けなくなり、母も父の介護で看護師を辞めないといけなくなり、生活保護の制度にお世話になって過ごしていました。

ふかやん
ふかやん

色々あったのですね。

momoさん
momoさん

当然お金を自由に使うことができなかったんですよね。

周りの友達が普通にできても自分だけできないことがあったりして、勝手にいつか自分の力で自由になりたいと思っていたのだと思います

momoさん
momoさん

就職して、自分で仕事をしてお金を稼ぐことができたとき、すごく嬉しかったんです。

働けることがとても幸せだと感じました。

 

あとは、働きたくても働けなくなってしまった両親を見て育ったからこそ、仕事ができるありがたさを感じています。

ふかやん
ふかやん

なるほど…

幼少期の経験があったからこそ、働けることの喜びや、働けることが当たり前ではないということを感じられていたのですね。

momoさん
momoさん

そうですね。

もちろん仕事すること自体が好きなので楽しく働いているのですが、こういう経験もひとつの原動力なんじゃないかなと”今”、思いました。

ふかやん
ふかやん

”今”、思われたんですね(笑)

momoさん
momoさん

はい(笑)

こんなこと話したの初めてです!笑

原Do力①

貧しかった幼少期の経験

自分の力で自由をつかむ!」という気持ちと

仕事ができることが当たり前ではない」ことを間近で見てきたこと

マイナスなことがきっかけで生まれた原動力。

その原動力には爆発的な力があります。

しかし、爆発的な力である故に、そのカウンターも大きい… 働きすぎて倒れてしまったこともあるmomoさん。

そんな彼女がさらに頑張り続けられるのはもう一つプラスの原動力がありました。

大変な状況でも自分の心が落ち着く楽しみを見つけること

momoさん
momoさん

もう一つ、頑張れる理由としてあるのは、どんな状況でも楽しくしようと思ってるからです。

ふかやん
ふかやん

どんなに大変な時でも楽しもうと…?

momoさん
momoさん

そうですね。

一見しんどそうな仕事でも、楽しいことを見つけて自分のものにしようと心がけています。

  

どんな環境でも楽しいと思えることを見つけられればそれが原動力になると思います。

ふかやん
ふかやん

momoさんにとって辛い環境の中で原動力になった具体的な楽しいことって何かありますか?

momoさん
momoさん

まさにそれが水彩画だったと思います。

momoさん
momoさん

第二子妊娠中に仕事ができない状況になった時、大学時代から避けてきた絵を描きたいと思い始めたんです。

絵を描くことが、大好きな仕事ができない悔しさを和らげてくれました。

ふかやん
ふかやん

心の拠り所になったんですね。

momoさん
momoさん

はい。

その時、ちょうど長男のイヤイヤ期もあって精神的にかなり参っていましたが、絵を描くという楽しみを見つけてから楽になりました。

ふかやん
ふかやん

なるほど…

大変な状況の中でその状況をいかに楽しむかということと、その中でも楽しいことを見つけられるかってことが大事ですね。

momoさん
momoさん

人によって楽しいと思うことは違うと思いますが、自分が楽しいと思えることを見つけると世界が広がると思います!

原Do力②

どんな状況も楽しむ

楽しいと思えることをやる時間を作る

自分が心から楽しめることに取り組むというのは簡単なようで、意外とできていない人が多いのではないでしょうか…

momoさんは決して楽な環境にいるわけでもないですし、仕事も子育てもある忙しい方ですが、その中でも自分の楽しみを見つけてその時間を作ることが原動力になっているそうです。

楽しいことをする=プラスな原動力は持続性が高いと言われています。

どんな状況でも楽しいと思えるから頑張れるみたいです。

行動していれば出会える、 応援してくれる人

momoさん
momoさん

あとは見てくれる人がいるのもポイントだと思います。

自分でやっている楽しいことを一緒に共感して応援してくれる人がいると頑張れます。

ふかやん
ふかやん

例えばどんな方がいましたか?

momoさん
momoさん

私にとっては水彩画を始める時に背中を押してくれたおじちゃんの存在は大きかったです。

木材屋で働いているときに出会った方なんですけど、その方が「気負わず、まずは描いてみたらいい!」と言ってくれて、その言葉があったから勇気を出して絵を始められたんですよね。

momoさん
momoさん

行動していると、助けてくれる人や応援してくれる人に出会えて、応援してくれる人がいるからまた挑戦できる… その繰り返しだと思います。

ふかやん
ふかやん

僕も最近いろんな方に取材させていただいて、同じように感じました。

momoさん
momoさん

動き続けることが大事ですね!

それで社会人になりたての頃の私のように体調崩したらダメですけど(笑)

 

健康を第一に動けるときにしっかり動くことが大事だと思います。

ふかやん
ふかやん

そうですね。

もう倒れないでください(笑)

原Do力③

応援してくれる人の存在

辛い環境でも楽しむとは言いつつも、大変な時はやっぱり大変。

そんな時に背中を押してくれる、支えとなる人がいるかいないかで頑張り続けられるかどうかは変わってきます。

momoさんは色々なことに取り組んできたからこそ、それを見てくれている人に出会えたのだと思います。

支えてくれる人に出会えるのは偶然かもしれませんが、何もしていなくてはそういう人には出会うことはできないでしょう。

何かに向かって突き進む人を必ず誰かが見てくれているものなのだと思います。

イラストレーターmomoさんに聞いた原動力。

マイナスから生まれた原動力でしたが、頑張るうちに楽しいことを見つけてプラスな原動力に変わっていったmomoさん。

爆発的な原動力と持続的な原動力があるからここまで頑張ることができるのだと思います。

子育てと仕事と好きなこと、全部完璧にこなす、キラキラワーキングママ! と思ったのですが、ご本人曰く、実際には上手くいかないこともたくさんあるとのこと…

次回はそんなmomoさんの等身大の生活についてです。