何したらバズるんだ〜!!
バズったコンテンツを紐解き、その理由を探求していく企画『バズりーズン』
今回、話していただいたのは俳優で、登録者10万人(6月末現在)のYouTubeチャンネル「しゅくろーから夜ふかし」のメンバー、和田崇太郎さんです。
和田さんは「しゅくろーから夜ふかし」で公開したショートドラマ、『セフレは泊まると言ったけど』で脚本と主演を務めました。
YouTubeで600万回再生を記録したこの作品について、お話を聞いてきました。
一体なぜ、恋愛バラエティチャンネルで作られたドラマがここまでバズを起こしたのか…
そのバズりーズンが明らかに…!!
和田 崇太郎(わだ そうたろう)
俳優。大学在学中に劇団を立ち上げ、舞台を中心に役者活動をスタート。ホームレス経験を経て、25歳の時に大手広告代理店に就職。その後俳優の道を再び目指すために退職し、フリーで役者活動を再開。役者活動をつづけながらもYouTubeチャンネル「しゅくろーから夜ふかし」でYouTuberとしても活躍している。
作品をご覧になりたい方はこちらをクリック⏬
目次
波に乗っかった上で”逆”を行く
『セフレは泊まると言ったけど』は現在600万回再生ですけど、すごいですね!!
いやいや…(ニヤニヤ)
あの…一旦あぐらでいいですか?笑
今回の作品はセフレがテーマになってますけど、セフレをテーマにした理由って何かありますか?
恋愛に関する動画をYouTubeで何百本とか出してるんですけど、そうするとこのテーマは視聴者の引きが強いみたいなのがわかってきて…
それがセフレだったんですね。
そうですね。他のYouTubeのドラマとか見ててもやっぱりセフレをテーマにしたものは跳ねてるんですよ。
なるほど。
じゃあ結構戦略的にテーマを決めたって感じなんですね。
テーマ自体は計算して決めましたね。
ただ、セフレを扱っている他の作品と、僕らの作品の方向性はちょっと違うんですよね。
違い…どんな違いですか?
セフレを扱うってなった時に…
まあ…うん
急に恥ずかしくなる和田さん
僕の実体験…とか、社会人時代に周りから聞いた話とか、生々しい事情を知った上で考えると、セフレってすげーくだらない営みだよなって思ったんですよね。
そう言われちゃうとそうですよね。
その時は楽しくても結局何してんだろうっていう…
結構みんながそう思っているようなクソくだらない行為じゃないですか。
でもYouTubeに上がってるセフレをテーマにした作品って、めっちゃ綺麗なんですよね。
たしかに切ない系とかエモい系とかそういう作品が多いですよね。
そう、エモい!
いやいやもっと汚えだろ!って思っちゃって(笑)
すげー綺麗でエモい作品が多い中に、僕が思っているようなどうしようもなく自堕落で不条理なものを作品にしたらどうなるのかなって思って、エグい感じの方向性にしました。
テーマは流行りに乗っているけど、中身は他の作品にはないオリジナリティを出しているんですね。
そうですね。
流行りに乗っかるだけじゃ、面白くないと思ったので…
感じていたことを正直に描いてみようと思ったら結果的に オリジナリティが出たって感じですかね!
それが視聴者に共感と新鮮さを与えた要因なんですね。
あの…一応言いたいんですけどあれはフィクションですからね?
これは書いておいてください(笑)
もちろんです!笑
大ゴケしたらめちゃくちゃハズい。 だからこそやる!
コメントもたくさんきてますよね。
ご覧になりましたか?
全部読みましたね。
視聴者の反応をご覧になってどうでしたか?
正直、めちゃくちゃ叩かれるんじゃないかって心配もしてたんですよ。
(この作品って)結構エグい男の本音とかあるじゃないですか。
エグかったです…笑
エグすぎて受け入れてもらえない気もしてたし、そもそもYouTubeでエグいものみたいか?って
でも結構グサグサ刺さる心の声に共感が多かったですよね。
絶対ここで刺すみたいな仕掛けを色々自分なりに考えたんですよね。
それで伝わりきるかなっていうやつが全部伝わって…
正直めちゃめちゃ狙い通りの反応をしてくれた笑
気持ちよくなってる和田さん
今回のドラマのテーマはしゅくかしのみんなで決めたけど、実際に僕が脚本書いたり製作陣を集めてきたので、大ゴケしたらめちゃくちゃはずいじゃないですか。
しゅくかしのチャンネルであげるので、しゅくかしのメンバーにも申し訳ないし…
だからこそ、作り込んだというか、他のものと一味もふた味も違う作品にしてやろう!って思いましたね。
追い込まれたからこそ作り込めたんですね。
ちなみに狙い通りじゃないなって反応はありましたか?
スマホの影が脇の部分に写ってて、それが脇汗だと思われたことかな。
脇汗じゃないみたいですw
そんなところまで…笑
Youtubeならではの”のぞき見感”
もう一つ、この作品を作ってみて発見したことがありました。
それはぜひ教えていただきたいです!
YouTubeにおいては、クオリティって高めすぎない方がいいんだなっていう。
え、クオリティ高めないんですか?
今回の作品て別にクオリティ高くないんですよ。 音とかちょっと雑だったりするし…
ドラマのクオリティって上げれば上げるほど、粗が気になってきちゃうんですよね。
僕らって普段テレビドラマとか映画とか見ていて、そういうクオリティの高い映像に慣れてしまっているから。
クオリティ追及しちゃうな…
たしかに…
僕もクリエイターとしてクオリティを求めてしまうんですけど、あるボーダーを超えちゃうともうクオリティの高さを追及され続けちゃうっていう感じわかります。
そうなんですよね。
でもクオリティの高い作品てもうたくさんあるから。
そこだけじゃやっぱり戦えない。
グサッ
逆にのぞき見感を出すといいなっていうのが今回の発見でした。
のぞき見感…?
普段見れないような裏側をのぞき見するような生々しさがYouTubeにはハマるんだなって。
なるほど… 言われてみれば、『セフレは泊まると言ったけど』は現実にいそうな二人をのぞき見しているような感覚になる作品ですもんね。
ちょっとした雑さがあって、その中でも仕掛けがうまい作品っていうのが跳ねるんじゃないかなと思います。
この作品はまさにそれにハマってますよね。 それも今回のバズが起こった理由なんですね!
コレ、実は中学の同級生と作ったんですよね…
今回はありがとうございました!
作品の話はこんな感じで…
最後にこの作品を作ったスタッフの話をしてもいいですか?
もちろんです!
ぜひ、お願いします!!
あれは僕を含めて3人で作ったんですけど、それが中学の時の同級生なんですよ。
そうなんですね!
元々、中学の時にずっと一緒に遊んでた奴らだったんですけど、就職とかで疎遠になっていて…
なんですが、ここ1~2年でたまたま電車で再会して、そこからまた仲良くなって一緒にYouTubeとかやりたいねって言ってたメンバーなんです。
仲間の話になった途端真剣な表情になる…友情に熱い
僕は俳優を目指していて、一人は映像系の仕事をしていて、もう一人はバンドマンを目指してたやつなんですけど…
今回一緒に作っている中で僕は芝居と脚本をやって、一人は映像をやってくれて、もう一人は音楽作って…みたいな。
中学の時の僕らのしょうもない遊びがそれぞれスキルをつけて“大人の遊び”に変わって、その作品が跳ねたからすごくエモかったです。
それはエモいですね。
作品自体はエモさよりもエグさを追及したけど、作り手側としてはエモかったんですね。
うまいこと言った〜(ドヤッ)
YouTubeで600万再生もされた作品の主演と脚本を務めた和田さんにお会いするということで、筆者は正直緊張していました。
しかしお会いしてみると気さくにお声をかけてくださり、緊張が一気に解けました。
またもっとバズったことを自慢気にされるのかと思っていましたが(失礼)、とても謙虚で、なぜバズったのか分析し、次のことを真剣に考えるような真面目な方でした。
そして『しゅくろーから夜ふかし』のしゅくろーさんや『セフレは泊まると言ったけど』を一緒に制作した中学時代の仲間のことを誇りに思い、大切にされているんだなという印象も受けました。
役者という夢を追いかける和田さんを応援しサポートする仲間が多いのには、そういったご友人を惹きつける魅力があるのか、たまたまなのかとても気になりました。
次回は和田さんが人生で挑戦する道を選択し続ける原動力や仲間を惹きつける要因についてお話していただきます!
和田さんが出演しているemoleの作品はこちら⏬